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世界中の貿易をサポートする信用リスク管理商品 (パート 1/6)

グローバル化により、競争が激化した世界貿易。これに伴い、新しい顧客を獲得するには、障壁を取り除く必要があります。そのため、オープンアカウント(掛売買) 取引を選択する企業が増えています。

オープンアカウント の取引条件は、競争の激しい市場で新規取引を獲得する場合には有効ですが、輸出企業にとっては大きなリスクを伴います。ただし、こうしたリスクも、適切な 貿易金融ツールを使用することで管理することができます。これによって推定で数千億ドル相当の世界貿易が促進されていることからも、その有効性は証明されています。

景気回復とともに、貿易金融の変革も進むと予想されていますが、これまで長期にわたってグローバルビジネスを支配してきた先進国に新興国が対抗し始めています。一般的な現在の信用リスク管理ツール、さらに、今後の貿易金融で主流となる可能性のあるツールを熟知する必要があります。

信用状(L/C):安全な決済を行うための従来のソリューション

信用状(L/C)は、買い手から銀行にリスクを移して支払いの安全性を確保するというもので、長年、信用リスク管理ソリューションの主流でした。特に、一部の新興市場では、世界で最もL/Cの使用率が高く、その傾向が顕著です。しかし、L/Cは、過去の世界金融危機、さらに近年の新型コロナウイルスの感染拡大(パンデミック)に際して再び使われたものの、徐々にではありますが、確実に減少しています。これは、コストや煩雑な書類作成の負担だけでなく、「L/Cは一部の人が考えているほど安全ではない」という認識が要因としてあるのでしょう。

インボイスファイナンス(売掛金担保融資):キャッシュフローの優位性

インボイスディスカウントやファクタリングとは、簡単に言えば、売り手が買い手に発行した請求書を担保に融資を受けることができるというものです。特に、他の選択肢がない中小企業にとって、キャッシュフローを改善し、運転資金のニーズを満たす資金調達手段として魅力的です。アジアでは、輸出の増加に伴い、オープンアカウント貿易に関する企業の理解が深まり、高度な知識を身につけたことで、利用が拡大しています。

銀行保証:適切に実行すれば非常に安全

銀行保証とは、買い手の債務不履行や支払不能に対する担保として、銀行が発行する金銭的保証のことです。これは、売買契約から独立しており、最終的なリスクを債務者企業から銀行に移転するものです。銀行保証は、L/Cの場合と同様、買い手の信用力に多少の不安がある場合、単発の大口取引を確保したいサプライヤーにとって賢明な選択です。ただし、銀行保証は、各管轄領域の法的要件に沿って弁護士が正確に作成しなければ効力を発揮しません。不備があれば、すべての価値がなくなるからです。

信用保険:アジア全域で拡大傾向

費用対効果が高く、包括的な保護を提供するのが信用保険です。国内外の買い手と定期的に取引を行う売り手にとって、信用保険の最大のメリットは、一度与信限度額が承認されれば、その後は管理コストをかけずに継続的に安全な取引を行うことができる点にあります。また、売り手は、保険会社のネットワークと専門知識を活用して、買い手の信用力や支払い実績だけでなく、支払いに必要な外貨の対応性、国の政治的安定性や経済力など、さまざまなことを評価することができます。

正しい決断をする

世界貿易をみると、2019年には販売総額が19兆ドルに達し、世界経済がパンデミック後の回復に向かう中、2021年には8%もの増加が見込まれています。一方で、貿易大国としてのアジアの地位はますます高まっており、不安定な社会環境や地政学的環境から事業を守ろうとするアジアの企業にとって、銀行保証、L/C、インボイスファイナンス、信用保険の利用は今後も拡大していくと思われます。しかし、信用リスク管理機能を最適化させるには、与えられた選択肢を理解し、正しい選択をする能力が不可欠です。

当社のブログシリーズでは、これらの信用リスク管理ツールの長所と短所について、詳しく紹介しています。

1/6: 世界中の貿易を牽引する信用リスク管理商品
2/6: 信用状(L/C):安全な決済を行うための従来のソリューション
3/6: インボイスファイナンス(売掛金担保融資):キャッシュフロー管理の代替策
4/6: 銀行保証:高額取引の円滑化とセキュリティの強化
5/6: 信用保険:包括的かつ費用対効果の高いリスク管理ソリューション
6/6: 信用リスク管理:正しいソリューション選びで差が出る

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